尊厳死の宣誓書とは?

N934_karutewomitekangaerudr500「安楽死」と「尊厳死」

末期がん等不治の病に侵されて、治る見込みのない延命治療(措置)をされるなら、いっその事「安楽死」を願いたい・・ そんな人も少なくないと思います。

こん睡状態で自らの意思表示ができなければ、家族の希望だけで延命治療をやめる事は医師の刑事訴追の可能性があるため困難を極めます。

一般に安楽死と呼ばれるものには3つの種類があります。

積極的安楽死→病の苦痛等から解放する為、積極的に死に至らす処置をする事。

消極的安楽死→延命措置を中止し、自然的に死期を早める事。

間接的安楽死→病の苦痛等を和らげ・排除する処置をするが、それが同時に死期を早める可能性がある事。

判例でみるとは自己決定権をもとに「尊厳死」として許容されると解されています。しかしながら、実際の現場では、この3つの安楽死のどれにあたるのかを明確に判断できない場合もあり、大変苦慮しているそうです。

自分が無駄な延命措置を望まず、尊厳死を希望する場合は「尊厳死の宣誓書」を公正証書として作成するのが一般的です。本人がこん睡状態で意思表示ができない場合であっても、あらかじめ「尊厳死の宣言書」があれば、尊厳死が本人の希望として尊重される可能性が高いでしょう。

尊厳死の宣誓書の有効性は?

N934_tenjyouwomiagekangaerudr500尊厳死を希望する場合は、「尊厳死の宣言書」の作成が有効ですが、日本は尊厳死に関する法律が成立している訳ではないので、尊厳死の願いが100%叶うわけではありません

しかしながら、日本尊厳死協会が行うアンケート調査では、「尊厳死の宣誓書」(リビング・ウィル)の提示があった場合、実に約95%の医師が患者の「尊厳死の宣誓」を受け入れたという結果がでています。

もちろん残り数%の医師は「尊厳死の宣誓」について否定的なのかもしれませんが、上記のような実際の現場での医師の受け入れ率を考えると、「尊厳死の宣誓書」の作成は大変有効な方法だと思われます。

 

尊厳死の宣言書のひな型

日本公証人連合会がホームページに掲載している、「尊厳死宣言公正証書」です。

尊厳死宣言公正証書

 本公証人は、尊厳死宣言者○○○○の嘱託により、平成○○年○月○日、その陳述内容が嘱託人の真意であることを確認の上、宣言に関する陳述の趣旨を録取し、この証書を作成する。

 第1条 私○○○○は、私が将来病気に罹り、それが不治であり、かつ、死期が迫っている場合に備えて、私の家族及び私の医療に携わっている方々に以下の要望を宣言します。

1 私の疾病が現在の医学では不治の状態に陥り既に死期が迫っていると担当医を含む2名以上の医師により診断された場合には、死期を延ばすためだけの延命措置は一切行わないでください。    

2 しかし、私の苦痛を和らげる処置は最大限実施してください。そのために、麻薬などの副作用により死亡時期が早まったとしてもかまいません。

  第2条 この証書の作成に当たっては、あらかじめ私の家族である次の者の了解を得ております。

     妻   ○ ○ ○ ○   昭和  年 月 日生     

          長男  ○ ○ ○ ○   平成  年 月 日生

      長女  ○ ○ ○ ○   平成  年 月 日生

  私に前条記載の症状が発生したときは、医師も家族も私の意思に従い、私が人間として尊厳を保った安らかな死を迎えることができるよう御配慮ください。   

第3条 私のこの宣言による要望を忠実に果して下さる方々に深く感謝申し上げます。そして、その方々が私の要望に従ってされた行為の一切の責任は、私自身にあります。警察、検察の関係者におかれましては、私の家族や医師が私の意思に沿った行動を執ったことにより、これら方々に対する犯罪捜査や訴追の対象とすることのないよう特にお願いします。   

第4条 この宣言は、私の精神が健全な状態にあるときにしたものであります。したがって、私の精神が健全な状態にあるときに私自身が撤回しない限り、その効力を持続するものであることを明らかにしておきます。

 

第1条を要約すると「現在の医学では不治の状況ならば、余計な延命措置は不要である」「しかしながら苦痛を和らげる措置は最大限にしてほしい」「苦痛を和らげる措置の為に死期が早まっても構わない」という事になり、いわゆる「間接的安楽死」を望む意思表示と読み取れます。

第2条のポイントは「家族の了承」になります。医療現場では実務上この「家族の了承」が重要視されます。同性カップルの場合、養子縁組をしていない限り、法律上家族ではない為、問題となります。便宜上、戸籍上の親や兄弟姉妹に了承をもらう形にするか、あらかじめ「結婚(パートナー)契約書」を公正証書などの書面で作成し、医師に説明・理解を求める形になるでしょう。

第3条は、尊厳死は法律上制度化されていない為、万が一医師の行為が刑事訴追を受けるようなことがあっても、尊厳死に関する措置は本人が希望した事なので、処罰を求めない旨をあらかじめ表示しています。

第4条は、尊厳死に関しての意思は、尊厳死措置当時に必要なものですが、あらたに撤回の意思表示がない限り、この「尊厳死宣言公正証書」の意思内容が有効であると表示しています。

「尊厳死の宣言書」に関して、決まりきった書式はありませんが、上記のようなひな形をベースに作成するとよいでしょう。

 

死後事務委任契約

ELFA85_jincyouge500遺言書作成による法的効果は、遺贈・相続分の指定・遺産分割の指定など法定されています。(詳しくは「遺言書」の解説)

自分の死後の処理・手続き、たとえば希望の葬儀・埋葬、医療費・介護サービス等の清算、賃貸マンションの解約・日用品家財の処分、インフラサービスの解約等は、遺言書に記しても法的効力はありません

これらの行為は、通常ですと相続人が行うのですが、親族等とは疎遠になっていたりする場合は、あらかじめ「死後事務委任契約」としてパートナーなどに任せる事ができます。(委任内容は話し合いで自由に決めます)

特に葬儀や埋葬に関しての取り決めは重要です。葬儀の喪主や「遺体」「遺骨」の(所有)管理をする祭祀主宰者(祭祀承継者)は、本人により指定する事ができますので、遺言書に記しておきましょう。また、葬儀費用についても遺言書に条項を設けて記載し(例「葬儀費用として〇〇円は祭祀承継人となる〇〇に預託する」)、相続債務として相続財産から控除できるようにしておきましょう。法的には葬儀費用は相続財産からの出費ではなく、祭祀承継者の個人負担とされていますが、遺言書にこの条項を入れる事で、相続財産から葬儀費用を賄える事になります。

しかしながら、葬儀・埋葬方法などは親族以外のパートナー等が祭祀承継者として指定されるとなると、大きなトラブルの原因にもなりかねません。遺言書の付言事項などを利用して、親族の理解を得られるようにしておく事も大変重要だと言えるでしょう。

「死後事務委任契約」については、公正証書にしなくても効力はありますが、その真実性を担保する為に、やはり公証役場で公正証書にするのが確実でしょう。

 

パートナーへの生前贈与

同性カップル パートナーへの生前贈与と注意点

同性カップルで共働き等の場合は、パートナーの死後の生活費も、各々自前の資産で生活できると思われますが、自分が働き、パートナーが家事をする等で財産上の違いがある場合、遺言書の作成によって財産を残す方法もありますが、パートナーにあらかじめ財産を生前贈与をするという方法もあります。

但し、生前贈与には贈与税という大きな税金の問題があります。生前贈与をした場合は、下記のような贈与税がかかりますので注意が必要です。(原則贈与を受けた方が申告・納税義務があります

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,000万円超 50% 225万円

基礎控除額 110万円

たとえば贈与財産の合計が500万円をだとすると、

500万円-110万円(基礎控除額)=390万円

390万円×30%(税率)-65万円(控除額)=52万円が贈与税となります。

 

年間110万円以下の贈与の場合は?

贈与税は「暦年課税(れきねんかぜい)」で、贈与した年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与された金額の合計金額が元になり課税されます。

上記の通り、相続税には「基礎控除額110万円」というものがあります。つまり、年間110万円以下の贈与であれば、贈与税はかかりません。もちろん税務署への申告も不要です。

生前贈与によってパートナーへ財産を移したい時は、この「基礎控除額110万円」というのを活用して、毎年すこしづつ贈与するのも、節税対策として有効と言えるでしょう。

 

必ず押さえたい※生前贈与の注意点※

①「名義預金」をしてはならない

『毎年110万円以下の贈与なら税金がかからないんだな。よし、じゃあパートナー名義の預金通帳を作って自分が預かり、毎年110万円以下に収まるように口座に入金しておこう』

こう考える方もいるかもしれませんが、この方法は「名義預金」(「借名預金」)といって、口座の名義がパートナーとなっていても、実質的には贈与している本人の財産とみなされ、自分の死後にパートナーの財産ではなく、本人の相続財産に組み込まれる可能性があります。

せっかくパートナーの為に財産を残したいと考えたのに、相続財産に組み込まれ、自分の意図しない法定相続人等に財産が渡ることになれば、全く残念な事です。

生前贈与する場合は、「名義預金」とされなりように準備しておく事が重要になります。

②「贈与契約書」を作成する

銀行通帳の記録を見ただけでは、それが「名義預金」なのか、「贈与によって得た預金」なのか、それとも「貸金」なのか見当が付きません。こちらが「贈与だ!」と主張しても、根拠となるものがなければ税務署に否認される恐れがあります。

そうならない為に「贈与契約書」を作成して、「証拠作り」をするのが有効です。「贈与契約書」を作成した上で、契約書通りに通帳に振り込めば、「贈与した証拠」の一つになります。(金額が大きい場合は、公証役場にて「〇年〇月〇日に贈与契約書が存在した」と確定日付をもらうのもよいでしょう)

できれば現金ではなく、自分の口座からパートナーの口座へ送金すれば、振込履歴も残りますのでベストです。

③「贈与税の申告」をする

贈与税の申告は、贈与があった年の翌年の2月16月~3月15日に申告する事になっています。贈与税の基礎控除である110万円以下であれば税金はかかりませんので、申告する必要はないのですが、あえて「贈与である証拠」を補強する為に、申告する方法もあります。

年間111万円を贈与したとすると、贈与額111万円-110万円(基礎控除)=1万円になります。贈与額200万円以下の場合の贈与税は10%になりますので、1万円×10%=1000円になります。1000円を贈与税として申告・納付し、「 贈与である証拠」の一つにするのです。

④「連年贈与」に注意する

『生前贈与を証明するには、贈与契約書を作るのが有効なんだな。でも毎年契約書を作成するのは面倒だな・・。よし、「今後10年、毎年100万円贈与する」という贈与契約書を作っておこう』

毎年100万円の贈与であれば、贈与税の基礎控除110万円以下のなので、毎年の贈与税はかからない筈です。

しかしながこういった贈与契約の方法は、「10年間で1000万円の贈与を受ける権利」(有期定期金に関する権利)をその贈与契約が結ばれた年に贈与されたと見なされ、贈与税が課税されてしまう可能性があります。

あくまで可能性なのですが、「贈与契約書」を作成するなら、面倒でも毎年作成するのが賢明だと思われます。

 

①~④と注意点を挙げましたが、一言でまとめると「法的に贈与が成立しているか」をいかに証明できるかに尽きます。その他にパートナーが贈与を受けている意思がある事は大前提であり、原則パートナーがその贈与された財産を自由管理(通帳・印鑑の保有)する事が望まれます。

 

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パートナーとの死因贈与契約

同性カップルで「死因贈与契約」を結ぶ

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死因贈与(契約)とは、「本人が死亡したら贈与を実行する」という「契約」です。

生前贈与(契約)」は、「契約」という点は同じですが、「本人が生きている間に相手に贈与を実行する」という点で異なります。また、税金に関しても、生前贈与は贈与税の対象になりますが、死因贈与は相続税の対象になります。(一般的には、贈与税の方が高額です。但し、基礎控除等あり)

他に似たような用語に「遺贈(いぞう)」というものがありますが、遺贈は相手方の受け入れる意思は不要な一方的な意思表示で、無償で財産を渡す方法になります。遺贈も死因贈与と同じく、贈与税ではなく相続税の対象になります。

「死因贈与契約」のメリット

同性カップルの場合、お互いの相続権が無いので、「死因贈与契約」を結び、自分の死後いくらかの財産をパートナーに残すことが出来ます。死因贈与契約自体は、遺言書のような厳格な様式は定められていませんが、当人同士のみで作成する私署文書では後々偽造・変造等を法定相続人に疑われる可能性もありますので、公証役場にて「死因贈与契約公正証書」にすると安心です。

また、死因贈与の内容に、不動産が含まれている場合は、死因贈与契約公正証書において「仮登記をする旨」が記載されていれば、受贈者(パートナー)が当該不動産に単独で仮登記をする事ができます。本人が死亡した後も、遺言執行者を定めておけば遺言執行者と受贈者のみで仮登記から本登記へ移す事ができます。私署文書である死因贈与契約書では、贈与者の相続人全員の承諾書及び印鑑証明書等が必要となりますので現実的ではありません。

「死因贈与契約」のデメリット

死因贈与契約はその名の通り「契約」であるので、遺言書のように本人の意思のみで取り消す事ができません。死因贈与契約の中に、契約の取り消し事由を記載する方法もありますが、あいまいな表現ではトラブルの元になりますので、取り消し条項の取り決めには細心の注意が必要です。

また、「生前贈与」の場合は、預貯金をすぐに受贈者であるパートナーの口座に移す事が可能ですが、死因贈与の場合、銀行等の金融機関がすぐに対応してくれるとは限りません。実務上、死因贈与契約が成立していても、預金の払い戻しには法定相続人全員の承諾書と印鑑証明書を求める金融機関が多いのが現状です。法定相続人の協力がなければ、裁判をして判決を得れば払い戻しはされますが、現実的ではありません。

上記のように「死因贈与契約」にもメリット・デメリットがあります。

場合によっては、パートナーに大きな負担となる事も考えられますので、事前に十分な検討が必要ですね。

 

 

 

相続と生命保険の活用

a0002_003051相続対策に生命保険を活用するというものがあります。

生命保険金は、受取人固有の財産となり相続財産に含まれない(相続税法上は除く)ので、特定の相続人に多くの財産を残したい場合によく使われる方法です。

そうなるとパートナーに財産を残す手段として、自分が保険料を払い、受取人をパートナーにする事が考えられます。

しかしながら残念な事に日本の生命保険のほとんどは、受取人を「2親等以内の親族」(2親等→配偶者・父母・祖父母・子孫まで)としていますので、この方法は、同性カップルには使えません。

唯一「生命保険型信託」として同性カップルでも利用できる可能性がる保険商品がありますので、一度検討してみる価値はあるかもしれません。

 

 

相続権の剥奪(「廃除」制度)

相続権を剥奪する「廃除」とは?

「あいつには相続財産を渡したくない!!」

法律には戸籍上の身分関係によって法定相続分を定めていますが、自分に対して①虐待②侮辱③著しい非行等があった場合、その行為を行った相続人対して「廃除」すなわち「相続権の剥奪」を裁判所に求める事ができます。

遺言書を作成する事によって、同性婚のパートナーに全て財産を残したいと希望しても「遺留分(いりゅうぶん)」という法定相続人を保護する制度があり、その法定相続人から遺留分の請求(「遺留分減殺請求」)されると、一定の相続財産を引き渡す必要が出てきます。

そこで遺言書の作成時に「〇〇を●●(の理由)で廃除する」という条項を記載し、遺言執行者を指定すれば、本人の死後遺言執行者が家庭裁判所に「推定相続人廃除申立」をする事ができます。裁判所にて廃除が認められると、その相続人の相続権は失われます。

ただ遺言書に①虐待②侮辱③著しい非行等の実態を公正証書そのまま記してしまうと、その内容が銀行口座の解約等の相続手続きのの段階で他人に見られてしまう事になります。

こういった場合は、公証役場にて別途「私署証書」を作成・認証して廃除の内容はこの「私署証書」に記録して残しておく方がプライバシーの観点からよいかもしれません。

※「私署証書」とは→私人が作成したその署名のある文書(私署証書といいます)が正当な手続で記載され、成立したものであることを、公証人が証明するものです。文書の署名又は記名押印が真正に作成されたことを証明することによって、その署名等の作成が真正であることを証明し、ひいては文書全体の真正な成立が推定されることになります。(昭和通り公証役場のHPより)

遺言書 よくある間違い・勘違い

遺言書作成において、よく見聞きする間違い・勘違いをまとめましたので、ご参考にご覧ください。

1.遺言書を書いても、自分の財産は「自由」に処分できます。

遺言書を作成すると、その内容たる財産を処分(定期預金の解約・不動産の売却等)する事ができないような錯覚に陥る方がいますが、これは全くもって「自由」です。

「Aに甲不動産を相続させる」と記載していても、Aの承諾を得る必要はありません。遺言者の気が変わって生前に甲不動産を売却すれば、遺言書の「Aに甲不動産を相続させる」という部分が取り消されたとみなされるだけです。

2.遺言書はいつでも「自由」に見直せます。

遺言書を作成したものの、後日気が変わって遺言内容を修正したい時は、自由に新しく遺言書を作成する事ができます。遺言書が複数ある場合、内容の抵触した部分については日付が新しい遺言書が優先され、日付が古い遺言書は取り消されたとみなされます。

「自筆証書遺言」も「公正証書遺言」も適正に作成されたものであれば、それ自体に法的効果の優劣はありません。日付が新しいものが優先されます。(但し、日付の違う遺言書が複数あると、その後の相続手続きについて大変困難な事態になる事が予想されますので、取り消す遺言書は破棄するのが良いでしょう)

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希望の葬儀・埋葬等について

MKJ_shiroikikunotekusucya-500希望の葬儀方法・埋葬方法に関しては、遺言書に普通に記しても遺言書の法定事項に該当しませんので強制力はありません。

 本人の「お願い」(付言事項)として遺言書に書く事はできますが、葬儀方法等について意思を実現したい場合は、パートナー等と死後事務委任契約を結ぶか、遺言書に負担付遺贈(希望の葬儀等を行う事を条件として、〇〇円を遺贈する)として記載する必要があります。

最近は、生前見積り等生きているうちに葬儀の内容や価格を選択できるメニューが多数用意されているので、あらかじめ「どこでやるか」「いくらでやるか」「誰を呼ぶか」等を決めておくと残されたパートナーの負担が大幅に削減されると思われます。

また、葬儀後の埋葬方法、お墓なども、実家の墓に入るのか、パートナーお互いの為にも、お墓や納骨堂を購入しておくのか、永代供養の共同墓に入るのか、事前に決めておく安心です。

葬儀・埋葬が終わった後でも法要があります。こちらも「どこでやるか」「どうやってやるか」「誰を呼ぶか」等の問題がありますので、よく話し合っておくのがよいでしょう。

 

任意後見契約

高齢化社会が進み認知症等で判断能力を欠く方を保護する「成年後見制度」がクローズアップされていますが、認知症等になってからではなく、事前に信頼できるパートナーに、自分の判断能力が低下した時に後見人(「任意後見人」)になってもらう「任意後見契約」があります。

「財産管理等の委任契約」の段階では、「貯金を下ろしたい」「入院したい」「この介護サービスを受けたい」等の判断ができましたが、認知症等でその判断能力が低下してきたときはこの「任意後見契約」が生きてきます。

「任意後見契約」の内容は、パートナー同士で話し合って決める事ができますので、自分の希望する生活をおくるための「財産管理」「身上看護」を実現する事ができます。(任意後見人が、契約内容に沿って財産の管理や病院や介護等の手続き関係を代理して行います)

任意後見の開始時は、家庭裁判所への申し立てが必要であり、必ず任意後見監督人が選任され任意後見の契約どおり遂行さてれいるかチェックされますので安心です。

なお任意後見契約には、①「将来型」(「任意後見契約」のみ結び、判断能力が低下した時に開始する)②「移行型」(「財産管理等の委任契約」と「任意後見契約」をセットで結ぶ)③「即効型」(既に判断能力が低下している人が、一時的に能力回復をした時に「任意後見契約」を結び、開始する)の3つのパターンが考えられます。

①の「将来型」は、任意後見開始の申し立てから、任意後見監督人選任までの数か月間は、任意後見人による保護が受けられない事、③の「即効型」は、委任者の判断能力の良し悪しが不安定の中での任意後見契約締結は、後々トラブルになる可能性が高い事から、②の「移行型」が理想と言われています。

②の「移行型」ですと、任意後見開始の申し立てから任意後見監督人選任までは、「財産管理等の委任契約」が存在していますので、それによって本人を保護する事ができます。

「任意後見契約」を検討されている方は、是非「財産管理等の委任契約」とセットで考えましょう。

※「任意後見契約」は必ず公証役場にて「公正証書」にする必要があります。また、任意後見の開始は、家庭裁判所に申し立てをして、任意後見監督人が選任された時からになります。

 

 

財産管理等の委任契約

PAK75_toreinookane20140305500自分の死後の財産分けについては「遺言書の作成」、高齢化等による判断能力の低下には「任意後見契約」がありますが、そこまではいかなくても、年を取り体の自由がなかなかきかくなり、買い物や銀行での現金金引出し、その他生活をする上での各種手続きをする事も困難になる事が想定される場合、パートナーと「財産管理等の委任契約」を結んでおく事が有効です。

「財産管理等の委任契約」のポイントは2つあり「財産管理」「療養看護」になります。

「財産管理」としては、たとえば銀行等の金融機関での現金の引き出しがあります。毎回委任状を作って銀行窓口に提出するのは大変手間ですし、暗証番号を聞いてATMで引き出すにしても、本人同士ならいいかもしれませんが、第三者となる親族等から見ると「〇〇は勝手に貯金を引き出して使っていた!!」と言われかねません。その他、家賃の支払い、光熱費の支払い、保険金の支払い(請求)、税金の支払い等の支払い関係。収益不動産などを持っていれば家賃の管理・回収等も考えられます。

「療養看護」としては、入院退院の手続、介護保険の認定申請及び介護サービスの契約手続き等、医療と介護関係の諸手続きを本人に代わって処理します。

「財産管理等の委任契約」の内容は、パートナー同士でよく話し合い、自由に決める事ができますし、契約したからと言って、銀行通帳や印鑑・印鑑証明書などを全て預ける必要な無く、必要な時に必要なものだけ渡す形でも構いません。

「遺言書作成」や「任意後見契約」を考えている場合なら、プラスして「財産管理等の委任契約」を結んでおくと安心でしょう。