準婚姻契約証書とは?

a1380_001631 最近事実婚カップル・同性カップルの間で「準婚姻契約証書」(「準婚姻生活契約書」「パートナー契約書」などとも呼ばれます)を作成する事例が増えています。

異性間の事実婚では「内縁事実の証明」の一つとして活用され、同性カップルの場合は、現実的には結婚状態・内縁状態であっても、法的にはまだ認められていないので、あくまで私人間の契約事ではあるのですが、「結婚に準じた状態である」事を互いに確認する為、対外的に証明する為に、この「準婚姻契約証書」は活用できます。

通常の婚姻関係ついて民法で定めているような「同居の義務」や「貞操の義務」「財産の共有」はもちちろん、もっと細かな具体的なこと、「生活費はどうすうか」「家賃はどうするか」「療養看護はどうするか」「万が一準結婚を解消する時はどうするか」などを定める事もできます。

特に様式は無いので、自由に作成はできますが、公証役場で公正証書にする事もできます。定めた条項について全て法的効果があるわけではありませんが、「なんとなくのパートナーとの結婚状態」から、現実には「結婚状態である」事の宣誓・お互いの約束をする、という気持ちで作成するのがよいでしょう。

 

パートナーへの生前贈与

同性カップル パートナーへの生前贈与と注意点

同性カップルで共働き等の場合は、パートナーの死後の生活費も、各々自前の資産で生活できると思われますが、自分が働き、パートナーが家事をする等で財産上の違いがある場合、遺言書の作成によって財産を残す方法もありますが、パートナーにあらかじめ財産を生前贈与をするという方法もあります。

但し、生前贈与には贈与税という大きな税金の問題があります。生前贈与をした場合は、下記のような贈与税がかかりますので注意が必要です。(原則贈与を受けた方が申告・納税義務があります

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,000万円超 50% 225万円

基礎控除額 110万円

たとえば贈与財産の合計が500万円をだとすると、

500万円-110万円(基礎控除額)=390万円

390万円×30%(税率)-65万円(控除額)=52万円が贈与税となります。

 

年間110万円以下の贈与の場合は?

贈与税は「暦年課税(れきねんかぜい)」で、贈与した年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与された金額の合計金額が元になり課税されます。

上記の通り、相続税には「基礎控除額110万円」というものがあります。つまり、年間110万円以下の贈与であれば、贈与税はかかりません。もちろん税務署への申告も不要です。

生前贈与によってパートナーへ財産を移したい時は、この「基礎控除額110万円」というのを活用して、毎年すこしづつ贈与するのも、節税対策として有効と言えるでしょう。

 

必ず押さえたい※生前贈与の注意点※

①「名義預金」をしてはならない

『毎年110万円以下の贈与なら税金がかからないんだな。よし、じゃあパートナー名義の預金通帳を作って自分が預かり、毎年110万円以下に収まるように口座に入金しておこう』

こう考える方もいるかもしれませんが、この方法は「名義預金」(「借名預金」)といって、口座の名義がパートナーとなっていても、実質的には贈与している本人の財産とみなされ、自分の死後にパートナーの財産ではなく、本人の相続財産に組み込まれる可能性があります。

せっかくパートナーの為に財産を残したいと考えたのに、相続財産に組み込まれ、自分の意図しない法定相続人等に財産が渡ることになれば、全く残念な事です。

生前贈与する場合は、「名義預金」とされなりように準備しておく事が重要になります。

②「贈与契約書」を作成する

銀行通帳の記録を見ただけでは、それが「名義預金」なのか、「贈与によって得た預金」なのか、それとも「貸金」なのか見当が付きません。こちらが「贈与だ!」と主張しても、根拠となるものがなければ税務署に否認される恐れがあります。

そうならない為に「贈与契約書」を作成して、「証拠作り」をするのが有効です。「贈与契約書」を作成した上で、契約書通りに通帳に振り込めば、「贈与した証拠」の一つになります。(金額が大きい場合は、公証役場にて「〇年〇月〇日に贈与契約書が存在した」と確定日付をもらうのもよいでしょう)

できれば現金ではなく、自分の口座からパートナーの口座へ送金すれば、振込履歴も残りますのでベストです。

③「贈与税の申告」をする

贈与税の申告は、贈与があった年の翌年の2月16月~3月15日に申告する事になっています。贈与税の基礎控除である110万円以下であれば税金はかかりませんので、申告する必要はないのですが、あえて「贈与である証拠」を補強する為に、申告する方法もあります。

年間111万円を贈与したとすると、贈与額111万円-110万円(基礎控除)=1万円になります。贈与額200万円以下の場合の贈与税は10%になりますので、1万円×10%=1000円になります。1000円を贈与税として申告・納付し、「 贈与である証拠」の一つにするのです。

④「連年贈与」に注意する

『生前贈与を証明するには、贈与契約書を作るのが有効なんだな。でも毎年契約書を作成するのは面倒だな・・。よし、「今後10年、毎年100万円贈与する」という贈与契約書を作っておこう』

毎年100万円の贈与であれば、贈与税の基礎控除110万円以下のなので、毎年の贈与税はかからない筈です。

しかしながこういった贈与契約の方法は、「10年間で1000万円の贈与を受ける権利」(有期定期金に関する権利)をその贈与契約が結ばれた年に贈与されたと見なされ、贈与税が課税されてしまう可能性があります。

あくまで可能性なのですが、「贈与契約書」を作成するなら、面倒でも毎年作成するのが賢明だと思われます。

 

①~④と注意点を挙げましたが、一言でまとめると「法的に贈与が成立しているか」をいかに証明できるかに尽きます。その他にパートナーが贈与を受けている意思がある事は大前提であり、原則パートナーがその贈与された財産を自由管理(通帳・印鑑の保有)する事が望まれます。

 

PAK85_laladentakuOL20140321

 

 

 

 

 

 

 

パートナーとの死因贈与契約

同性カップルで「死因贈与契約」を結ぶ

HIGA62_notepen

死因贈与(契約)とは、「本人が死亡したら贈与を実行する」という「契約」です。

生前贈与(契約)」は、「契約」という点は同じですが、「本人が生きている間に相手に贈与を実行する」という点で異なります。また、税金に関しても、生前贈与は贈与税の対象になりますが、死因贈与は相続税の対象になります。(一般的には、贈与税の方が高額です。但し、基礎控除等あり)

他に似たような用語に「遺贈(いぞう)」というものがありますが、遺贈は相手方の受け入れる意思は不要な一方的な意思表示で、無償で財産を渡す方法になります。遺贈も死因贈与と同じく、贈与税ではなく相続税の対象になります。

「死因贈与契約」のメリット

同性カップルの場合、お互いの相続権が無いので、「死因贈与契約」を結び、自分の死後いくらかの財産をパートナーに残すことが出来ます。死因贈与契約自体は、遺言書のような厳格な様式は定められていませんが、当人同士のみで作成する私署文書では後々偽造・変造等を法定相続人に疑われる可能性もありますので、公証役場にて「死因贈与契約公正証書」にすると安心です。

また、死因贈与の内容に、不動産が含まれている場合は、死因贈与契約公正証書において「仮登記をする旨」が記載されていれば、受贈者(パートナー)が当該不動産に単独で仮登記をする事ができます。本人が死亡した後も、遺言執行者を定めておけば遺言執行者と受贈者のみで仮登記から本登記へ移す事ができます。私署文書である死因贈与契約書では、贈与者の相続人全員の承諾書及び印鑑証明書等が必要となりますので現実的ではありません。

「死因贈与契約」のデメリット

死因贈与契約はその名の通り「契約」であるので、遺言書のように本人の意思のみで取り消す事ができません。死因贈与契約の中に、契約の取り消し事由を記載する方法もありますが、あいまいな表現ではトラブルの元になりますので、取り消し条項の取り決めには細心の注意が必要です。

また、「生前贈与」の場合は、預貯金をすぐに受贈者であるパートナーの口座に移す事が可能ですが、死因贈与の場合、銀行等の金融機関がすぐに対応してくれるとは限りません。実務上、死因贈与契約が成立していても、預金の払い戻しには法定相続人全員の承諾書と印鑑証明書を求める金融機関が多いのが現状です。法定相続人の協力がなければ、裁判をして判決を得れば払い戻しはされますが、現実的ではありません。

上記のように「死因贈与契約」にもメリット・デメリットがあります。

場合によっては、パートナーに大きな負担となる事も考えられますので、事前に十分な検討が必要ですね。