性同一性障害(MTF)も特別養子縁組で「母親」に

性別変更後、特別養子縁組で「母親」になる!

性同一性障害で男性から性別変更した大阪府の30代女性が結婚後、里親の「母親」として児童養護施設から引き取った男児(3)との特別養子縁組を申し立て、大阪家裁に認められたことが2日、女性への取材で分かった。GID(性同一性障害)学会は、女性に性別変更した人が、特別養子縁組で法的に母親と認められるのは「聞いたことがない」としており、国内初とみられる。

性同一性障害のある人の特別養子縁組については「健全な親子関係が営めるか疑問」などとして、縁組の前段階となる里親申請の時点で難色を示されることもある。GID学会理事長の中塚幹也岡山大教授(産婦人科)は「子供をほしいと思う性同一性障害の当事者にとって新たな選択肢になる。性や家族の多様性を考える上でも大きな動きだ」と話した。
引用産経ニュース2014.4.3

性同一性障害(MTF)の方で、性別変更後「母親」になりたい人も多いと思います。生物的に出産するして親子関係を作る事は無理ですが、養親となり養子を取る「養子縁組」を結んで法律的(戸籍上)親子関係を結ぶ事は可能です。

上記のとおり、大阪家庭裁判所にて性別変更して女性になった方について、特別養子縁組が認められ法律的に戸籍上「母」となりました。法的には可能でも、実務上養親と養子のマッチングについて、性同一性障害のある人が不利な状況が続いているようでしたが、今回はその問題がクリアされ、家庭裁判所も将来的な子供の健全育成を含め認めた形になります。

「普通養子」と「特別養子」の違い

今回のニュースは、「特別養子縁組」の成立なので、法的に「」となりました。「普通養子縁組」では法的には「養母」となります。特別養子縁組は普通養子縁組と比べて厳格な要件(①養子になる子は6歳未満(6歳未満から監護されていた場合は8歳未満)、養親は成人であり夫婦の一方は25歳以上②養子と養親は夫婦共同縁組をする③養子の実親の同意が必要等)があり、最終的に家庭裁判所での審判が必要になります。(普通養子縁組の場合、その条件を満たすと原則「届出」だけで養子縁組が結ぶ事ができます)

普通養子縁組の場合だと、実親との関係(扶養・相続関係)が続きますが、特別養子縁組の場合は、実親との法的関係は切断されます。離縁する時も、普通養子縁組の場合は協議のみで可能ですが、特別養子縁組の場合は、特別な事情がある場合のみ家庭裁判所が判断する事ができます。

戸籍関係では、普通養子縁組の場合は、子の父母欄にはあくまで実親の名前が記載され、養父母の欄が加わる形になります。特別養子縁組の場合は、父母欄に実父母の名前の記載はされず、養父母の名前が記載されます。(子の戸籍欄には、特別養子縁組の条文である「民法817条の2」との記載は入りますが、「特別養子縁組」との文言は入りません。又、実親の戸籍から養親の戸籍に移る間に実親の本籍地にて養子単独の戸籍が作られ、特別養子縁組のプライバシー保護の配慮がされています)

他先進国と比べて、日本はなかなか養子縁組の制度が活用されていません。その一方で、少子化といわれながらも、日本では毎年30万件前後の人口妊娠中絶が行われています。今回の大阪地裁の審判を含め、「子供の幸せ」の為、もっと社会的に特別養子縁組制度が浸透・活用されるといいですね。

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